私たち働く者にとっていちばん気がかりなことのひとつに、自分自身や家族のだれかが病気になったりケガをしたときの医療費や生活費をどうするか、という問題があります。これは病気やケガに限らず、出産や死亡の場合も同じことです。
健康保険はこのような不時の出費に備えて、働いている人たちがそれぞれの収入に応じて保険料を出し合い、これに事業主も負担し、思わぬ事故でケガをしたり、病気になったとき、また出産や死亡などのときに、個人に代わって必要な医療や現金を支給するなどして、生活上の不安を取り除こうという、“相互扶助”の精神にもとづいて生まれた制度です。
健康保険の仕事は、全国健康保険協会と健康保険組合がおこないます。常時従業員が700人以上いるか、同種同業の事業所が集って3,000人以上いる場合には、厚生労働大臣の認可を得て健康保険組合を設立し、独自の立場で健康保険の事業を運営することができます。これを全国健康保険協会がおこなう全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)に対して組合管掌健康保険といいます。皆さんが加入するのは後者の健康保険です。
全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)に比べて組合管掌健康保険には次のようなメリットがあります。